あなたの虜。。

傷心。。





あたしが二番目の彼と出逢ったのは微香性撥水スプレーが放れ濯ぐ庚申の夜のことだった。


その日、あたしはリトマス試験紙風の同期女子社員と帰趨を決し、既得損益の伏魔殿にて三百年余り君臨し続けたセンター長に論理チャネルを突きつけて、プレハブ構築されたB全サイズの紙入れをロッカーから掠め盗った。

その際、一抹の憂の翳りは駅裏にある金券ショップに持ち込んで全て換金していたから万全。


社へ戻るとあたしたち二人はすぐさま資料編纂室に立てこもり、大吟醸のラベルを掲げた現像液を孵化したばかりの内向的なカニューラ管を通じてひたすら懐柔していく湿潤な作業を互い口移しで行った。


当座はさきイカで試作したスウェードを補填先にしておけば良かったから、案外気は楽だった。

次にあたしたちは嘱託の女子社員が帰省先から土産にと持ち帰った缶入りのクッキーを形状種別ごとに仕分け、付箋をしてから一つずつハンディスキャナーで読み込んで廃棄処理の段取りを進めた。



そんなこんなで知り合った非耐久消費財の彼には芯が無く直貼り。


いつも彼は何も喋らずにいたが


そのかわりずっとあたしにキスをしていた。






あたしは粗収益曲線のような感じの彼のことがあまり好きではなかったけど、


最初の彼の時と同様、


とにかくエッチだけは
いっぱいしていた・・



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